摂食嚥下機能に関してその機能から環境調整まで多職種連携で研究しましょう。
多職種連携による摂食嚥下機能研究~摂食嚥下機能から環境調整まで~

看護学科・准教授
船越 和美
FUNAKOSHI KAZUMI
医学検査学科・教授
古閑 公治
HIROHARU KOGA
言語聴覚学専攻・教授
大塚 裕一
OTSUKA YUICHI
理学療法学専攻・教授
久保 高明
KUBO TAKAAKI
言語聴覚学専攻・准教授
宮本 恵美
MIYAMOTO MEGUMI
看護学科・講師
高島 利
TAKASHIMA TORU
生活機能療法学専攻・准教授
爲近 岳夫
TAMECHIKA TAKEO
看護学科・准教授
戸渡 洋子
TOWATARI YOKO

キーワード
多職種連携
摂食嚥下機能
環境調整
研究内容に関するお問い合わせ
hirokoga [a] kumamoto-hsu.ac.jp (古閑公治)
現在の研究ステージ
構想段階
試行・実証段階
実用化段階
連携可能な範囲
技術相談
共同・受託研究
機器・設備の利用
知的財産権の活用
研究者の受け入れ

研究内容
熊本保健科学大学摂食嚥下障害研究チームでは、多職種連携により右図のような組織編成で研究活動を行っています。Aの摂食嚥下障害及び機能の客観的評価法部門に関する研究では、姿勢と摂食嚥下機能の関係、運動刺激を与えた場合の嚥下機能の変化など、Bの摂食嚥下リハビリテーション・看護研究部門では口腔ブラシで口腔内に刺激を与えた場合の口腔機能の変化、講音運動を用いた簡単な嚥下機能リハビリテーションの効果など Cの嚥下訓練機器・介護商品開発部門では、摂食嚥下障害者が安全に飲用可能なコップなどの開発や高齢者でも安全に嚥下可能なパンに関する受託研究をこれまで行ってきました。我々の研究チームの特徴は主な領域での構成メンバーの担当は図のように分担していますが、密接なコミュニケーンもとっているということもあり、それぞれの所属分野で縦割りに活動するのではなく、研究課題によっては、それぞれの構成員が流動的に交わり研究活動を実施しているというのが特徴です。

プロジェクト概要

 
論文・知的財産権など
〔特許〕
  • 熊保大式摂食嚥下障害者用コップ「誤嚥無門」特開:2014-061064松本義肢製作所共同開発
〔競争的資金〕
  • 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
    「高齢者の嚥下機能低下に対するトレーニング機器及びその方法の開発」平成28年度~29年度
〔受託研究〕
  • 「咀嚼・嚥下に適したユニバーサルデザインパンの特性解明」平成25年度~平成28年度 熊本製粉
〔学術論文〕
  • 口腔清拭用スポンジブラシの口腔内刺激による口腔機能への効果.熊本保健科学大学保健科学研究誌,第14号,149-156,2017
  • 前頚部への温熱療法や頸部の嚥下体操が嚥下時筋活動に及ぼす影響について, 熊本保健科学大学保健科学研究誌,第12号,65-73,2015
  • Kinectを用いた健常者における非侵襲・非接触型嚥下機能評価法の研究, 熊本保健科学大学保健科学研究誌 第14号 103-113,2017
設備・装置
  • 口腔水分計(口腔水分計ムーカス®,ライフ社製):口腔湿潤度を測定する。
  • 舌圧測定器(JMS舌圧測定器,JMS社製):舌圧を測定する。
  • 口腔機能測定器 健口くん(TKK-3350,竹井機器工業社製):音節交互反復運動を測定する。
  • 筋電計(ワイヤレス筋電系EM-272S、スポーツセンシング社):嚥下に関する筋を測定する
担当者の注目ポイント!
摂食嚥下機能の障害は、まず食物を認知することから始まり、飲み込みが完成するまでの活動を中心に考えられがちですが、安全においしく食べるためには、それぞれの患者さんの障害に応じた食べるための環境調整も大切になります。それは患者さんの食べるための姿勢であったり、その人に応じた食具であったり、安全に食べるための場所であったり様々な条件を考慮する必要があります。そのよう摂食嚥下障害に対して、様々な職種が連携することにより、摂食嚥下機能を様々な視点から考察することで、さらに様々な検討すべき新たな問題が発見されることも多々存在します。そのような問題を解決するための多職種連携の取り組みは非常に価値があると考えています。