一緒に研究しませんか?
内部障害に対する温熱の可能性について

保健科学部・リハビリテーション学科(理学)・教授
飯山 準一
IIYAMA JYUNICHI
研究者情報(飯山準一)
保健科学部・リハビリテーション学科(理学)・講師
岩下 佳弘
IWASHITA YOSHIHIRO
研究者情報(岩下佳弘)
〔研究員〕 桜十字病院
渡 孝輔
WATARI KOSUKE
〔研究員〕 玉名地域保健医療センター
中村 智明
NAKAMURA TOMOAKI
〔研究員〕
山田 しょう子
YAMADA SHOUKO
〔大学院生〕 保健科学研究科 リハビリテーション領域
前田 曙
MAEDA AKIRA

キーワード
慢性腎不全
急性腎不全
温熱
研究内容に関するお問い合わせ
yiwashita [a] kumamoto-hsu.ac.jp(岩下佳弘)
現在の研究ステージ
構想段階
試行・実証段階
実用化段階
連携可能な範囲
技術相談
共同・受託研究
機器・設備の利用
知的財産権の活用
研究者の受け入れ

研究内容

私たちは、全身温熱刺激の身体への影響について、深部体温を約1℃上昇させる条件下で、疾病モデルを用いた基礎研究と、ヒト対象の臨床的研究を行っています。私たちは、健常成人で41℃, 10分間の温水浸は、腎血漿流量を50%増加させる一方で糸球体濾過量には影響せずに糸球体濾過分画を低下させることを示しました(図1)(Iiyama J. J Jpn Soc Balneol Climatol Phys Med. 2003)。慢性腎臓病(Chronic kidney disease, CKD)モデルマウスを用いた基礎実験では、12週間の温熱反復で腎eNOS(血管内皮型NO合成酵素) mRNAの有意な発現増を認め、輸出入細動脈の温熱性拡張による糸球体への圧ストレス軽減が示唆されました(Iwashita Y. J Jpn Soc Balneol Climatol Phys Med. 2014)。次に腎容積の減少に伴う急性腎障害からCKDへ移行する初期段階への温熱暴露の影響を検討した基礎研究では、血清クレアチニン値、尿中アルブミン量の増加が有意に抑制され(図2)、そのメカニズムとしてp38MAPK-Akt経路を介した抗酸化能の改善(図3)と熱ショックタンパク質27の発現増幅(図4)によるアポトーシス軽減効果が示されました(Iwashita Y. Am J Phys Renal Phys. 2016)

図1 41℃,10分間の温水浸による腎機能の変化

図2 直腸温を約1℃上昇させる温熱反復による腎障害の軽減

図3 DHE染色(腎組織)

図4 温熱による熱ショックタンパク質とリン酸化の増強

論文・知的財産権など
〔主な論文〕
  1. 渡孝輔, 他. (2018). 急性腎障害に対する穏和な全身温熱刺激による腎保護効果:腎虚血再灌流障害モデルマウスにおける検討. 物理療法科学 25: 34-41.
  2. Iwashita, Y., et al. (2016). Mild systemic thermal therapy ameliorates renal dysfunction in a rodent model of chronic kidney disease. Am J Physiol Renal Physiol 310(11): F1206-1215.
  3. Iwashita, Y., et al. (2015). A possible reno-protective effect of systemic thermal stimulation in a mouse remnant kidney model. The Journal of The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine 78(2): 118-129.
〔受賞〕
  • 2016/05, The best American Physiological Society research articles, APS select May選抜
  • 2016/05, 日本温泉気候物理医学会 第21回最優秀論文賞 受賞
  • 2016/06, 熊本大学腎臓内科同門会優秀論文賞 受賞
〔競争的資金〕
  • 2018-2020, 科研費 基盤研究(B), 慢性腎臓病発症および進行に対する全身温熱習慣の影響と、その基礎メカニズム解明.
  • 2018-2020, 科研費 基盤研究(C), 温熱プレコンディショニングによるシスプラチン誘発性腎障害軽減の機序解明.
  • 2017, 日本物理療法学会研究助成, 急性腎障害に対する穏和な全身温熱刺激による腎保護効果-腎虚血再灌流モデルマウスにおける検討-.
  • 2015-2017, 科研費 基盤研究(C), 低温サウナによる慢性腎疾患の進行抑制効果.
  • 2015-2017, 科研費 基盤研究(C), シスプラチン腎症に対する温熱プレコンディショニングの効果.
  • 2012-2014, 科研費 基盤研究(C), 低温サウナを用いた末期腎不全への機能維持効果.
〔特許〕
  • 外呼吸を受熱ルートとする熱吸入デバイス(Thermal Air Inhalation, TAI)(国際出願PCT/IB2011000397, KH110001 US-P0096,KH110001AU-P0153)
設備・装置
  • マウス・ラット用 無加温型非観血式血圧計 MK-2000ST
  • Maxwell® RSC Instrument(核酸自動精製&定量システム)
  • LightCycler® 96 システム(リアルタイムPCR装置)
  • iBlot 2ドライブロッティングシステム(ブロッティング装置)
  • iBind Western Device
  • WSE-6100LuminoGraph I(ゲル撮影・イメージング 高感度化学発光・蛍光・可視光イメージング装置)
  • Wes-Automated Western Blots
  • Lunatic – ハイスループット微量分光光度計
  • その他
担当者の注目ポイント!
私たちは生活の中で、気圧、水圧、寒冷、振動など様々な物理刺激を受けながら生きています。それぞれの刺激は細胞内シグナル伝達を介して種々のタンパク合成に影響を与えていると考えられます。これらの分子メカニズムを解明し応用することで、薬物療法とは異なる新たな治療法への展開が期待できます。また複数の物理刺激の組み合わせや、薬物療法との組み合わせなど、今後どんどん応用法が広がる研究分野です。