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GIRKチャネルを標的にした難治性脳・精神疾患の画期的治療薬の開発

客員教授
高濱 和夫
TAKAHAMA KAZUO
理学療法学専攻・教授
申 敏哲
SHIN MIN-CHUL
熊本大学大学院 生命科学研究科・教授
三隅 将吾
MISUMI SHOGO

キーワード
GIRKチャネル
難治性脳・精神疾患治療薬
dopamine受容体
腹側被蓋野-側坐核系
チペピジン
研究内容に関するお問い合わせ
takahama [a] kumamoto-hsu.ac.jp (高濱和夫)
現在の研究ステージ
構想段階
試行・実証段階
実用化段階
連携可能な範囲
技術相談
共同・受託研究
機器・設備の利用
知的財産権の活用
研究者の受け入れ

研究内容
鎮咳薬はG-蛋白共役型内向き整流性Kイオン(GIRK)チャネルを抑制し、その作用により難治性うつ病、ADHD、アルツハイマー病など様々な難治性脳・精神疾患のモデル動物の症状を鎮咳有効で顕著に改善するという、我々が独自に見出した知見に基づき、GIRKチャネルを標的とした新規治療薬の開発を目指している。また、上記の多彩な薬理効果が、GIRKチャネル抑制による腹側被蓋野-側坐核のドパミン神経系の活性化を介して発現するという示唆に基づき、この系の活性化がなぜ、上記のような多彩な薬理効果を発揮するのか、その解明に向けた研究を展開している。
論文・知的財産権など
〔特許〕
  • 注意欠陥・多動性障害の治療薬(特許第5109132号)
  • 治療抵抗性うつ病治療薬(特許第5266520号)
  • 統合失調症の陰性症状治療薬(特許第5858477号)
  • 強迫性障害治療薬(特許第5850229号)など
〔論文・総説〕
  • Kazuo Takahama, Mechanisms of actions of centrally acting antitussives, Cough, (ed. F Chung, J. Widdicombe and H. Boushey), Blackwell.Oxford, UK. pp.225-236, (2003).
  • Kazuo Takahama, Multiple pharmacological actions of centrally acting antitussives ― Do they target G-protein-coupled inwardly rectifying K+ (GIRK) channels ? J. Pharmacol. Sci. 120, 146-151 (2012).
  • Ikutaro Honda, Kimi Araki, Sokichi Honda, Fumio Soeda, Min-Chul Shin, Shogo Misumi, Ken-ichi Yamamura, Kazuo Takahama, Deletion of GIRK2 subunit containing GIRK channels of neurons expressing dopamine transpoter decrease immobility time on forced swimming in mice. Neurosci. Lett. 665. 140-146 (2018).
〔競争的資金〕
  • 2014-2017 科学研究費 基盤研究(C)(代表)3,900千円
  • 2012 科学技術振興機構A-STEP(シーズ顕在化タイプ) (代表)1,310千円
設備・装置
  • パッチクランプ記録装置
  • 行動解析装置
  • マイクロダイアリシス装置
  • その他
担当者の注目ポイント!
本研究は、GIRKチャネルを標的にして、うつ病、ADHD、統合失調症、アルツハイマー病など難治性脳・精神疾患治療薬の開発を目指す研究で、極めて独創性の高い研究です。我々の知見を基に実施された医師主導のオープンラベル研究で、GIRKチャネル抑制作用をもつ鎮咳薬が難治性のADHDやうつ病に対して顕著な効果を示すことが明らかにされています。また、これらの薬物は、リハビリテーションなどと融合させることにより、今後さらに問題となることが予想されるフレイルの問題などにも対応できる可能性を秘めており、その点からも興味深い研究です。さらに、GIRKチャネルの抑制する薬物は生体のもつ修復機能・治癒力を高めて効果を発揮していることが考えられます。これらのメカニズムを追究するという点からも極めて独創性が高く、興味深い研究です。