幹細胞を使った研究を一緒にしてみませんか?
次世代を生み出すメカニズムの解明

生活機能療法学専攻・教授
田中 聡
TANAKA S. SATOMI
日本学術振興会特別研究員RPD
山口 泰華
YAMAGUCHI L. YASUKA

キーワード
生殖細胞
性分化
幹細胞
遺伝子改変動物
植物幹細胞
研究内容に関するお問い合わせ
tanaka [a] kumamoto-hsu.ac.jp (田中聡)
現在の研究ステージ
構想段階
試行・実証段階
実用化段階
連携可能な範囲
技術相談
共同・受託研究
機器・設備の利用
知的財産権の活用
研究者の受け入れ

研究内容

我々の体は約60兆個の細胞から出来ていますが、その始まりはたった1個の細胞、受精卵です。受精卵は、全能性の幹細胞と呼ばれており、この1つの細胞から我々の体がすべて作り出され、さらに次世代を産み出すもとである精子と卵子も作られます。精子と卵子が受精することで、再び全能性幹細胞である受精卵を作り出すことから、我々の体を作る体細胞系譜とは異なり、この精子と卵子を作る生殖細胞は、将来、全能性を発揮する能力を秘めた特殊な細胞系譜と考えられています。私たちは、この次世代のもととなる 1)生殖細胞はどのようにして作り出されるのか、そして、精子と卵子、この雌雄の生殖細胞を作るために必要な 2)個体の雌雄の性はどのように決定されるのか、といった発生・再生医療学の基礎となる研究を、遺伝子改変を行ったマウスやEmbryonic stem (ES)cells(胚性幹細胞)の in vitro 分化誘導系を用いて行っています。また、植物の幹細胞に関する研究も行っています。

右図:原始生殖細胞(生殖細胞のもと)が緑色の蛍光(GFP)を発するように遺伝子改変を行った受精後7.5日目のマウス胚

論文・知的財産権など
〔学術論文〕
  • Sall4 is essential for mouse primordial germ cell specification by suppressing somatic cell program genes. Yamaguchi, *Tanaka et al. (*corresponding author), Stem Cells 33, 289-330 (2015).
  • Homeoproteins Six1 and Six4 regulate male sex determination and mouse gonadal development. Fujimoto, *Tanaka et al. (*corresponding author), Developmental Cell 26, 416–430 (2013). この研究成果は、新聞(2013年8月27日付、熊本日日新聞 朝刊)やテレビ(2013年8月29日、テレビ熊本スーパーニュース)に取り上げられた。
  • IFITM/mil/fragilis family proteins, IFITM1 and IFITM3, play distinct roles in mouse primordial germ cell homing and repulsion. Tanaka et al., Developmental Cell 9, 745-756 (2005).
  • The mouse homolog of Drosophila Vasa is required for the development of male germ cells. Tanaka et al., Genes and Development 14, 841-853 (2000).
〔競争的資金〕(研究代表者)
  • 平成28年度 武田科学振興財団 医学系研究奨励継続助成(基礎)
  • 2012 平成27年度 科研費 基盤研究(C)
  • 平成25年度 科研費 新学術領域研究・公募研究
  • 平成23年度 科研費 基盤研究(C)、特定領域研究・公募研究
  • 平成20年度 科研費 新学術領域研究・研究課題個人提案型
設備・装置
  • 細胞培養用機器類全般
  • マウス初期胚操作用顕微鏡類全般
  • 基本的な分子生物学実験用機器類全般
  • 植物育成装置全般
担当者の注目ポイント!
急速に発展している幹細胞を用いた発生・再生医療とはどのような技術なのかを、実際に研究を通じて学んでおく事は、医療系分野において大きなアドバンテージとなると考えられますので、大学院進学も含め、一緒に研究が進められればと思います。